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空飛ぶ広報室

空飛ぶ広報室

空飛ぶ広報室

 有川浩さんの「空飛ぶ広報室」を読みました。

 仕事と少なからず関わるので、読んでみたかった本です。図書館で借りるか、文庫化されるまで待ってようと思っていましたが、無事図書館で借りることができました。

 隅々まで読んで内容を記したいところですが、今回は読んで感じたことを書いておきます。

 

内容紹介

不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット空井大祐29歳が転勤した先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。待ち受けるのは、ミーハー室長の鷺坂(またの名を詐欺師鷺坂)をはじめ、尻を掻く紅一点のべらんめえ美人・柚木や、鷺坂ファンクラブ1号で「風紀委員by柚木」の槙博己、鷺坂ファンクラブ2号の気儘なオレ様・片山、ベテラン広報官で空井の指導役・比嘉など、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった……。有川浩、渾身のドラマティック長篇小説。

 有川さんはライトノベルのような読みやすいストーリーをうまく描いてくれます。自衛隊の広報室側、空井とマスコミ側、稲葉のやりとりがとても興味深かったです。

 小説なので実際の体験と同じことはないと思いますが、取材する側とされる側のすれ違いや起こりえそうなトラブルをうまく書けていると思いました。

 取材する側は知識のない学生と同じ。正直、取材前に取材先の実情を調べてくることは余程のことがない限り厳しいです。 これが現実でしょう。

 

行き過ぎた報道

 現在の「取材・報道する人たち」はどこよりも早くニュースを流すことに力が入りすぎているかもしれません。ネットというツールがこの流れに拍車をかけてしまったのが原因ですが、実際に数時間前に起きた出来事への解説を欲する「情報を手にしたい人たち」もいます。

 そんな誰よりも早くニュースを知りたい人たちの溜まり場が、Twitter でしょう。その感情を否定することはありませんが、情報の消化スピードが早すぎるため後には何も残らなかった状態になりそうな気がしています。