学歴革命 秋田発国際教養大学の挑戦
国際教養大学という大学を知り、興味を持ちはじめ調べようとしていた矢先に入ったニュース。
国際教養大理事長兼学長の中嶋嶺雄(なかじま・みねお)さんが14日午後10時26分、肺炎のため秋田市の病院で死去した。76歳だった。
できれば、お亡くなりになる前に読んでおきたかった著書を読み終わった…。
- 作者: 中嶋嶺雄
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2012/03/20
- メディア: 単行本
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英語での授業より、寮生活と図書館24時間の開放
国際教養大学の特徴として…
- 授業はすべて英語
- 1年間、海外留学の義務
- 入学時1年間の全寮制共同生活
- 少人数による授業
- 24時間365日オープンの図書館
などが挙げられます。海外留学は提携している大学の中から行き先を決め、自分で手続きをしなければいけないようです。単位互換は仕組み化されており、留学のせいで単位が足りずに卒業できないことはないようです。
でも、授業は他の大学に比べたら厳しいようで、留年する学生が多いようです。留年したからといっても、就職に影響は出ていないようです。
本書を読んで、英語での授業が効果を表しているのではないかという思い込みを粉々にされました。英語での授業より、学生の関心を自身の力の向上に向けさせる環境作りに関心しました。
また、関心をサポートする体制作りも図書館の24時間オープンの特徴をみれば確信できます。
綿密に練られた国際教養大学の勉学システムは、日本で一番の出来ではないでしょうか。(実際には痒いところに届いていない箇所もあると思いますが…)
東大・京大が学ぶべきは大学システムの根本からの改革
「グローバル化」「英語での授業」という言葉や課題に、振り回されているままではジリジリと評価を下げていくばかりではないでしょうか。
京大は、総長と大学教授の殴り合いになっており、外から見ると面白く、学生の立場からすると滑稽な状況になっています。
京大総長が行おうとしたことを中嶋嶺雄さんも東京外国語大学で試しておりますが、教授会や制度など様々な壁にぶつかり無理だと悟り、一から国際教養大学を作り上げています。
京大総長が行おうとしていることは達成できたとしても中身のない制度改革になることでしょう。京都大学に通う学生にとっては悲しい結果へとなりそうです。