銀行王 安田善次郎
「銀行王 安田善次郎」を読みました。安田善次郎は、安田銀行(後の富士銀行。現在のみずほフィナンシャルグループ)、損保会社(現在の損害保険ジャパン)、生保会社(現在の明治安田生命保険)等を次々と設立した人です。
- 作者: 北康利
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/27
- メディア: 文庫
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「陰徳を積め」
人に褒められようとして善行を施すのではなく、誰にも知られずとも人の為になることを黙々と行なってこそ人格は磨かれていくこと。
安田善次郎の父は、「陰徳を積め」と安田善次郎に言い聞かせていました。安田善次郎は、教えを守り、東京大学の安田講堂や、日比谷公会堂、千代田区立麹町中学校校地を寄贈するが、「名声を得るために寄付をするのではなく、陰徳でなくてはならない」として匿名で寄付を行っていたため、生前はこれらの寄付行為は世間に知られていなかったエピソードがあります。
ネットのオープンな文化の問題点が、「陰徳を積め」という言葉から見えてきた。オープンな時代の悪い部分は、人に褒められたいがために、情報公開を行なっているのではないかという側面ではないだろうか。
決して、人に褒められずに誰にも知られずとも人の為になることを行えるような場をインターネット上に形成することはできないのだろうか。
千両分限者となるための3つの誓い
安田善次郎が金持ちになった秘訣として、以下の3つの誓いがあります。
- 独力独行で世を渡り他人の力をあてにしない。一生懸命働き、女遊びをしない。遊び、怠け、他人に縋るときは天罰を与えてもらいたい
- 嘘を言わない。誘惑に負けない
- 生活費や小づかいなどの支出は収入の十分の八以内に止め、残りは貯蓄する。住宅用には身代の十分の一以上をあてない。いかなることがあっても分限をこえず、不相当の金を使うときは天罰を与えてもらいたい
3番目の誓いはとても参考になります。本多静六さんの「本多式四分の一貯金法」も近いものがありますね。私も今月から早速真似するために、仕組みを検討中です。
あと、安田善次郎の本を読むことで、渋沢栄一にも興味がでてきました。