ネットのライオン

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紙のライオン

路上の視野〈1〉紙のライオン (文春文庫)

路上の視野〈1〉紙のライオン (文春文庫)

 沢木耕太郎というノンフィクション作家を知ったのは、仕事の関係で「紙のライオン」を読むことになったためだ。

 綿密な取材を通して事実を客観的に叙述する文学の一ジャンル「ルポルタージュ」。その方法論について、模索し書き続けた彼の語る「文章を書く理由、方法」が記されている。

 本サイトを作るきっかけの一冊である。「紙のライオン」を39ページまで読んで「ネットのライオン」を決心した。

 仕事として、ニュース、ジャーナリズム、文章を書く当事者ではないが身近な距離で関わっている者としては、書く機会を作らざる終えない気持ちを授けてくれる一冊だ。

 文章を書くことは遠吠えで過ぎないのではないか。あなたは何のために書くのか。気づかないふりをすれば悩まずにすむ根源的な問題に彼は手をつけている。

 紙とネットにある壁。読んでいるものにとっては「文章をどちらで読もうと関係ないだろ」と思うかもしれないが、書いているものには勝手がまったく違うのだ。

 ネットの文章も変わらなければならないと考えている。どのように変えるべきなのか考えるに彼の考えた問いをわたしたちも考え通り抜けなければならない。

 根源的な問題から方法論まで、ネットの中で文章を書く君も覚悟があるなら手にとって考えてほしい。

 

[もくじ]各章への感想

紙のライオン(*方法)

アスファルトの鼓動(*時代)